ポートオブスペインPOS
写真はパリア湾。
今日はト国側とプロジェクトの合同調整委員会に出席、終了時までの最終調整・確認が行われた。
朝の高速船フェリーは6時トバゴ発で9時ごろにはPOSに着く。船の中ではだいたい知り合いがいるもので、今日はベルガーデン村の建築屋であり本業が軍人のGに会った。彼は村にゲストハウスを持ち将来はそれで食いつなぐと言う。さて38歳の彼曰く、後7年、つまり４５になったら引退するという。えーーー、ちょっと早すぎない？でもそれもいいか。でも、食べて行くだけだからとのこと。うむ。
彼の住むベルガーデン村では草の根無償資金援助を申請して漁村施設を建てたいと計画している。そこで大体の手続きは終了しているのだが、一点大切なことが懸案となっている。トバゴ議会からの土地の利用許可であり、これがなかなか下りないのだ。一般に漁村施設は国の土地に国が建てる。トバゴの土地はトバゴ議会が利用方法を決める権限がある。
そこで、なにが議題になっているかというと、漁村施設の利用は全漁民が利用できるべきでありそれをベルガーデン漁協が独占することが一部のポリティシャン政治家の間で議論されている。
私達が漁協に指導していることは、政府が建てた建物のメインテナンスをきちんとしたレギュレーションに則って行うこと。そのためには会費や利用費を徴収する予定である。
実際には、トリニダード・トバゴの漁協と呼ばれる組合とその施設の利用状況は非常に悪く（私がいままで訪れた国と比べて）、国の建物なので壊れれば放っておくのが常。人間性かなあ。そして水産局を訪れればトイレットペーペーがないからくれだとか言いたい放題。特にトリニダードはひどい。
ようするに漁協の組織強化や勉強会など一切の指導を行わない状態で、施設だけ渡し、そして利用者には政府に利用料を支払わせようとする。トリニダードの場合、お金を取ると誰も利用しないと同僚が嘆く。年間１０TTという破格な値段でもだめ。結局２TTに値下げしてもそれでも利用者はいない。ただなら利用し、倉庫などは寝泊りや生活に利用される。実際にトリニダード水産局が3年前に作った施設はいまでも新品のまま利用されていない、、、。（１TTで新聞が買える、６－７TTでビール小瓶が一本飲める）
私はトバゴで仕事ができて本当に良かったと思う。
トバゴ水産局ではこういった現状を問題視して、各漁村に対して指導を行ってきた。その中で一番建設的で活動的なコミュニティーがベルガーデン漁村であり、良いモデルとなりそうである。そういうわけで私の仕事にも熱が入る。組織強化を行い、組織が管理できる体制を作りつつあるのだ。
しかし、トバゴ議会の一部の政治家の意見は違う。施設は皆が使える物でなければならず、一漁村が管理することは許されないと言う。困った、議論する視点がずれている。
トバゴ水産局長とトバゴ議会農業・海洋資源・環境庁長官はその点を理解してくれているので、なんとか政治家グループの説得にあたってくれている。しかし裏には政治家はすべてを管理下に置いておき次ぎの選挙の時に現場の要求に答える約束を小出しにする必要があるという。
ベルガーデン漁協の施設の利用は回りの漁村を巻き込んだプロジェクトであって独り占めするわけではなく、ただメインテナンスを漁民が行える最低限のレギュレーションは他の漁民にも守ってもらう必要がある。けっして一漁村が独り占めするわけではなく、多くの漁民が使えるセンターとしての役割を担うことが期待されている。例えばトイレの利用であれば、誰かが掃除しトイレットペーパーを補充しないと大変なことになる。例えば私の指導は1回１TTの利用料を取ることである。貯まればトイレットペーパーや掃除用具を買い換えられるし、電気や水道やペンキ代に変わる。だから施設を利用する人はレギュレーションに則った利用をするのである。こういう指導をせずに施設だけ与えてほったらかしの現状の方が良いという政治家の考え方には私や同僚やベルガーデン漁村の人たちは疑問を投げかけずにいられない。トリニダード・トバゴだなあ。
先の軍人のGさんはこの計画の初期から村の代表として設計を担当してくれているし、今後も漁村の開発には欠かせない人物である。彼曰く、Welcome to the politics in Tobago。
今、エグゼクティブカウンセル（トバゴの最高議会）ではその議論がなされている。さて、皆さんはどちらに転ぶと思いますか？引き続きメインテナンスは公共施設として国が面倒を見る？それとも漁協が行えるようになる？
mi
p.s.タイJOCV OBの友人が同じOBと当地で入籍する。おめでとう。
